『いったい歌は誰のものなのか・・・蘇る封印歌謡?』
世の中にはせっかく生まれてきたのに、いろんな理由で発売中止になったり放送禁止になってみんなの歌と しての存在を許されなかった歌が数多くある。 時の権力者に不都合な政治的な歌であったり、差別的な要 素を含んでいるといわれる歌だったり、ちょっとHな歌だったり、歌自身にはまったく関係がなく歌ってい た歌手がある事件をおこしてしまったためであったりと・・・・。 そんな中に意外にも、わし的には長嶋サマとともに永遠のヒーローである若大将加山雄三さんの歌にも放送 禁止歌があるのである。 『大空の彼方に/加山雄三』というアルバムに入っていて、映画『フレッシュマ ン若大将』の中でも歌われている『びっこの仔犬』という歌で、NHKの『みんなのうた』で流してほしい くらいの、いたわりの気持ち溢れるいい歌なのである。 しかし『びっこ』というのが差別用語ということ であかんということなのである。 『足の不自由な仔犬』と変えたらOKなのか? 座頭市シリーズがテレビで放送される時によく、『このどめくらが〜!』というセリフのところで『この・ ・・・が〜!』といきなり無音になってしまって、『ん、なにがあったん?』と思ったことがある方、けっ こうおるじゃろ。 これも『このど目の不自由なやつが〜!』ならいけるのか? さらに最近では『あんま さん』というのは『マッサージ師さん』と言わなあかんとか・・・・いくらなんでもあの時代に、座頭市に 『マッサージ師さん』とはおかしいだろう! 差別用語があろうとなかろうと、人間や自然に対して愛情のある人は面と向かってそんな言葉は言わないし、 逆にKYなどあきめくら野郎は、差別用語があろうとなかろうと、どんなことをしてでもやってはいかんこ とをやるのである。 『蘇る封印歌謡/三才ブックス』の冒頭で著者の石橋春海氏はこう言っている。 『封印歌謡は、時代を映 す鏡である。 以前は封印されていた楽曲でも、時代が変われば問題視されなくなることもある。 逆に、 発売当初は何の問題も無かったものの、時代が変わったことで問題視される楽曲もある。 極論すれば、時 の偽政者たちの都合で楽曲の運命は決められてしまうのだ。 そこには、作り手や聴き手への配慮はない。 いったい歌は誰のものなのか・・・・その答えを本書で見付けてほしい。』 第1章ではデビューアルバム『頭脳警察1』が発売中止、急きょ製作した『頭脳警察セカンド』も発売1ヶ 月で発売中止になったPANTA、第2章では『金太の大冒険』のつボイノリオ、そして第3章では『エイトマ ン』の克美しげる各氏などのインタビューをとおして、その答えに迫る石橋春海氏入魂の一冊でなのである。 克美しげるさんの『さすらい』『おもいやり』『エイトマン』の新録音CDもついて1714円である。 今すぐ本屋に走れぇ〜〜!弾よりも早く〜〜!!