8マンからの手紙!

『ごぶさたしております。 先輩が音楽の道に進まれたことで読売巨人軍の4番・サードを長嶋
さんから私が受け継ぐ事になってもう20年以上の月日が過ぎてしまいました。昨年私が監督を
辞める時も暖かいお電話をいただきありがとうございました。そのあと最後の試合で阪神の星野
監督から励ましの言葉をかけていただいた時も、先輩のことを思い出してついつい涙してしまい
ました。

さて一リーグ制うんぬんで野球界が今揺れ動いております。私もこれを古い体質から新しく生ま
れ変わるいい機会だと思い、自分なりの考えをまとめてみました。私個人のHPに明日アップす
るつもりですが、もしかしたらまたナベツネさん一派からの横やりが入って日の目をみることが
ないかもしれません。先輩だけには私の思いを分っていただきたいと思い別紙にまとめてみまし
た。お時間のございますときにでもお読みいただければ幸いです。
野球を愛する先輩4番・サード様へ 原辰徳』

翌日、タツノリの公式サイトの日記コーナーに、以下の一リーグ制を批判する記事がのったが、
次の日には削除されてしまった。


『プロ野球界を思って(2004.7.8)
現在、プロ野球界は、激震しています。プロ野球ファンなら誰でも知っているでしょうが、近鉄オリックスの合併問題から始まり、「1リーグ制」への移行についてです。今の私はユニホー
ムを脱ぎ、現場から離れていますので、一人の野球人として、自分を育ててくれたプロ野球界の
行く末が心配でなりません。私個人の考えを話してみたいと思います。

私も皆さんと同じように、マスコミで報道した事実しか知りません。これまでの経緯をまとめる
と、球団経営に困ったパ・リーグの球団が合併し、5球団でのペナントレースを争うのは厳しい
ということで、1リーグに移行するという流れになっています。どんなことでも、何か大きなこ
とを改革しようとすれば、大きな非難やリスクが生じるのは当たり前です。改革する側、改革さ
れる側は、双方とも犠牲を払い、血を流さなくてはなりません。しかし、大事なのは、その改革
が「未来のプロ野球界のためになること」かどうかです。 目先の利益に飛びつくための改革で
ないことが大前提であり、その一方で「未来の野球界のため」になるのであれば、多少の犠牲は
目をつむらなくてはならない、ということです。そのことを大前提に話します。

はっきり言って、球団数の削減という流れに賛成するプロ野球人はいないでしょう。私もそのう
ちの一人です。単純に言えば、プロ野球選手になろうと夢を見ている子供達の受け皿が少なくな
るからです。選手のプロテクト枠を増やすとか、3軍を増やすなどしても、スポットライトの当
たる1軍のグラウンドで戦える選手は少なくなるのです。それでも「そんなことは当然、分かっ
ている。でも、どうしようもないんだ」という説明をして「球団数を減らし、1リーグにするこ
とは未来のプロ野球界にとって、こんなにメリットがあるんだよ」という説明があればいいので
す。これまでの説明では、プロ野球人気の原動力になっている選手やファンに対し、あまりにも
不十分だと感じます。いきなり、経営できなくなった球団があるから1リーグへ移行するという
のは、あまりにも乱暴な気がします。大企業の経営者でもない私が言うのも生意気ですが、なぜ
経営できなくなったかを考え、議論する必要があります。

セ・リーグパ・リーグの交流試合をやってパ・リーグの球団を助けるとか、ドラフトやFAで
選手を獲得する際にもっとお金のかからない制度を考えるとか、球団を買うときに発生する30
億円の加盟料を撤廃し、プロ野球球団を持つにふさわしい企業が参入しやすくする方法を考える
方が先決だと思います。近鉄を買いたいと言ってきた企業の話も聞かずに門前払いしたり、意見
を言った選手を一喝したり、現状の流れでは、経営者側の論理だけで話を進めている感を拭えま
せん。改革のためにある程度の「犠牲者を出す」、「血を流す」のは仕方がないとはいえ、もう
少し納得できる説明と、未来への指針を明確に打ち出すべきではないでしょうか。単純に経営が
苦しくなったから合併して1リーグにするという考えならば、改革をしてもその場限りのものに
なり、また同じように球団経営に困る球団が出てくるでしょう。もう止められない改革なら、コ
ミッショナーが言っているように「小異を捨て、大同につく」という言葉を肝に命じ、より良い
プロ野球界のための改革になることを願います』

よく言った、タツノリ! お前はりっぱな4番・サードじゃ!! おい、読売新聞。こんな意見
も載せてこそ新聞ぞ!!