兵庫賢敏くんの想い出??

自分自身が、もう若くはないのだと感じるときは人それぞれであると思う。 小学校や中学校、
そして高校の同窓会などに久しぶりに行って、同級生の顔をみた瞬間であったり、その同級生の
子供たちが結婚するとか、おやじさんとかお母さんが亡くなったりの知らせがきたりとか、頭が
すっかりハゲあがってしまったりとか、55肩で眠れなくなったりとか・・・いろいろあるが、
本田美奈子くんのように自分よりも若い世代が病気で亡くなったと聞かされることが多くなった
最近では、そろそろ自分の身の回りを整理しておかないといかんのかなとも考えてしまう。

本日の徳島新聞に、兵庫賢敏由岐町長が昨日がんのため亡くなったとの記事がのった。 52歳
であった。 ココナッツ Jr.は2000年の夏に『ふるさと由岐まつり』というイベントに出演
させてもらったが、それは町長になったばかりの彼が声をかけてくれたものであった。 楽屋に
現れて『色紙にサインをしてもらってもいいですか?』とおっとりと話しだした彼は、ロマンス
グレーのりっぱな町長さんになっていたが、そのはるか35年ちかくも昔、フォークシンガーだ
ったわしは阿南工専の学生だった彼にあちこちのコンサート会場でよく会っていた。

兵庫くんは当時高田渡、シバ、山本コータロー友部正人中川イサトさんなどなどが結成した
『武蔵野たんぽぽ団』にあこがれてか、阿南工専のあった地名をつけた『見能林(みのばやし)
なのはな団』というグループで活動していた。 わしらの音楽仲間で初めてバンジョーという楽
器を弾いたのが確か彼であった。 その後わしと彼とは『ふるさと由岐まつり』まで30年間の
御無沙汰であったのだが、なぜか彼のバンジョーだけはずっとブレインポリスの押し入れで眠っ
ておった。

今夜はそのバンジョーの弦を張り替えて、『見能林なのはな団』の名曲『君の町へ』でも一杯や
りながら一人で歌ってみようかのぉ・・・『町へ近づいて行く汽車は、可愛いあの娘の声にひか
れ 僕は荷物をまとめだして、旅の終わりを神に祈る もうすぐ着くから 駅までむかえに来て
走る機関車はレールの上 一人で僕は汽車の中・・・・』